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気管にできた腺様嚢胞癌と闘う母の記録

急変してからのこと ①


母が亡くなりもうすぐひと月。
日に日に寂しさがつのる今日この頃です。
急変してからのことをなかなか書けずにいましたが、
最後の最後まで頑張った母のことを、ちゃんとここに書き記しておいてあげたいので、
思い出しながら書いていきたいと思います。

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2018.9.29(土)

この日は私は以前から出掛ける予定が入っていたので朝から夫婦で外出。
父が午後から面会に行く予定にしていて、お昼を食べてさぁ面会に行こうかなと思っていたところに病院から母急変の連絡が入ったそう。
少し遅れて私にも連絡が入り、出先から急いで病院へ駆けつけた。
前日の面会では急変する様子なんてまったくなかったから、連絡が来て急変って言われても訳が分からなくて、本当に頭の中が真っ白になった。

病室に着くと、真っ平らなベッドの上に母が仰向けの状態で寝ていた。意識もない。
呼吸が苦しくなり始めてからのこの1年、仰向けで寝ることができなくて常に背中を起こした状態で寝ていたのに、仰向けで横になれている時点で『これは普通じゃない』って思った。

看護師さんの話によると、朝食の時に少し飲み込みづらいと言っていたようで、昼食はほんの少し食べたくらい。
その直後くらいに急変し、意識がなくなってしまったそう。

土曜日だったので、病室には主治医ではなく当直の医師がいて、手動式の酸素マスクで母の呼吸に合わせて酸素を送ってくれていて、
それを続けながら説明をしていただき、延命について家族に判断を委ねられた。
(もう治療してどうこうという感じではないのが伝わった)


◉人工呼吸器(挿管型)
   気管内に挿管チューブを入れて機械から直接酸素を送る
◉人工呼吸器(マスク型)
   鼻から口をがっちりカバーするマスクをし、呼吸に合わせて機械から酸素を送る
◉簡易酸素マスク
   自発呼吸に酸素を補給してあげるくらい


以前のブログにも書いていたけれど、今までも3〜4回 死を意識せざるを得ない状況になっていたので、そのたびに医師からも延命について聞かれていて家族でも話していた。
母とも話すことができていて、
『人工呼吸器の挿管チューブは入れないで欲しい』と言われていた。
『家族にも迷惑がかかるし、そこまでして生きていたくない』と。
母の場合は、気管にステントが入っているので、挿管したら二度と抜くことができない、と医師からも説明を受けていた。
母の意思を事前に聞けていたので、挿管タイプの人工呼吸器をしないことは即決できた。
(これは事前に母と話せておけてよかったです。母がどうしたいかを聞けていなかったら、父も私もなかなか判断ができなかったと思います)


あとは、マスク型の人工呼吸器にするか、簡易酸素マスクにするか。
以前検査中に呼吸困難になったとき、マスク型の人工呼吸器を装着したことがあったけど、これも自発呼吸とのリズムが合わないとすごく苦しそうで、母はすごく嫌がっていた。
それを知っていたので、最初は簡易酸素マスクでお願いすることにしたのだけど、酸素マスクは自発呼吸に補助する程度に酸素を補給するくらいなので、どんどんモニターの数値が落ちていく。
どうしてもそれを見ていられなくて、最終的にはマスク型の人工呼吸器に切り替えてもらった。

意識がないこともあり、マスクを装着して機械から酸素を送っても苦しがる様子がなくてホッとしたような、嫌がる反応がないことで意識がないことを再確認させられたような。

マスク型の人工呼吸器は、母の自発呼吸に合わせて強力な酸素を送ってくれるので、母の呼吸する力がなくなってしまったら、それが最期ということになる。

母の生きる力があとどれくらいなのかは分からないけれど、最期まで見届けてあげたいと思った。
その日から私は病室に泊まって母と一緒に過ごすことにした。

つづく。
   






by necorin29 | 2018-10-24 22:20