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気管にできた腺様嚢胞癌と闘う母の記録

急変してからのこと ②


ひとつ前のブログからの続きです。

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2018.9.30(日)

急変から一夜明け、マスク型の人工呼吸器で管理され意識はないままだけれど、母の容態は一応安定していた。

この日は日曜日だけど、たまたま母の主治医が当直の日で、いつも週末は学会などで忙しくされてて不在なことが多いのに、これも何かの縁なのかなぁと思ってしまった。

主治医のお話によると、吸ったり吐いたりという、私たちが普段当たり前にしている『呼吸』にもとても体力を使うそうで、胸や肺の筋肉も必要なのだそう。
吸う力はあっても吐く力が弱いと、体の中に二酸化炭素がどんどんたまってきて、ある一定の濃度を超えた時に意識を失うことがあるらしい。
母の場合はずーっと息苦しい中、生きるために一生懸命に呼吸をしていたけれど、『お母さんの体力の限界』が近づいているのだろう とのことだった。


痛みならば痛み止めで何とか緩和することができる。
けれど、呼吸はいくら苦しくても辛くても、それを受け入れて自分で何とかしなければならない。
母は本当に限界まで頑張っていたんだと思う。


少しずつ少しずつ、モニターに表示される心拍数や血中酸素、血圧などの数値が下がっていき、

そして、


2018.10.1(月)18:11
父と私と私の夫が見守る中
母は静かに息を引き取りました。
本当に静かに。
死因は『慢性呼吸不全』でした。

急変してからの3日間は、苦しむこともなく本当にすやすやと眠っているようで。
ずっと息苦しさで熟睡できなかったから、その分の睡眠を取り戻してるかのようでした。
苦しむ姿を見ることもなく、それは本当に良かったと思う。


日曜日の朝に一度だけパッチリと目を開けた時があって。
5分くらいだったけど、ちゃんと目を動かして私のことも見て認識していたし、
私が『ずっとそばにいるからね!大丈夫だからね!』って言ったら、口を動かして何か言おうとしてた。
マスク越しで何を言ってるかは分かってあげられなかったけど、きっとあの時は意識があったんだと思う。
そのあとはまたすぐに眠ってしまったけれど、母は寂しがりやだから、1人じゃないって分かって安心してくれてたのならいいんだけどな。


本当にお疲れさま。
もう頑張らなくていいからね。
ゆっくり休んでね。

71歳。
まだまだこれから一緒にいろんなこと楽しみたかったなぁ。


by necorin29 | 2018-10-24 23:20